医者語中医教春気

◆◆お医者さんが語る◆◆

中医が教える、春に気をつけたいこと

-----中医と西洋医の違いは？-----

　西洋医は主に「病気の治療」を行います。視診、触診、打診、聴診などを通したり、先進的医療機器を利用したりして、診断します。治療方法も、ある程度マニュアル化されています。同じ病気であれば、同じ治療法を施し、個人の体質を考えることはありません。体内分泌物質の数値を重要視します。

　一方で、中医は人、地域、季節により治療法が変わります。「望」「聞」「問」「切」という四診という方法で施術します。「望」は見ることを指し、顔色、目色などで病状を判断します。同時に舌の状態も診察します。舌の色、舌苔の状態などで、内臓の状態を把握します。「聞」は嗅ぐを意味しており、口臭や体臭で病状を判断します「問」は問診のことで、患者との交流を通じて診断を進めます。「切」は脈拍の状態を診察して判断します。

　四診を通して、病気の原因、性質、段階などを分析します。他にも、五臓六腑、経絡、関節、気結などの変化を診て診断します。そして、身体全体のバランスを診て、鍼、灸、マッサージ、漢方処方などの治療法を決めていきます。そのため、同じ病気でも治療法が異なったり、異なる病気でも、同じ治療法である時もあります。

　中医は人体の陰陽のバランスを整えるものです。また、病気になる前の事前予防のための施術も行ったりします。

-----春に多い病気は何？-----

　春は、暖かくなったり、寒くなったり、風もよく吹き、気候が安定しません。そのためか、メンタルも落ち着かない人もいらっしゃるでしょう。この時期は、風邪、髄膜炎、扁桃炎、肺炎などを患いやすいです。他にも、眩暈、高血圧、肝炎、躁鬱（そううつ）病などにも、気を付けましょう。

-----中医の観点で、春に注意すべきことは何？-----

　中医で春は五行の中の「木」属性にあたります。五臓の中では肝臓が「木」に当たります。肝臓は、体内にエネルギーを供給したり、老廃物を排出したりする大事な臓器です。いらいらしたり、気が塞いでいたりすると、傷つけやすくなります。予防策として、陽気のバランスに注意してください。体内の陽気が多すぎても、少なすぎても良くありません。また、極度に乾燥しているものや、辛すぎるものを食べず、あっさりした食べ物を口にするようにしましょう。早寝早起きを心がけ、気持ちを明るしましょう。悩みを抱えるのは良くありません。ウォーキング、ジョギングなどの適度な運動を行うと、免疫力が高まるのでおすすめです。

語ってくれたのは　医院中医科陜賢平医師

北京中医薬大学中医専科卒。中医科、産婦人科に30年従事。中医と西洋の良いところを取り入れた施術方で、主に婦人疾患を治療する。不妊症、月経不調、更年期障害、乳房の痛み、産後の身体の痛みなどの治療が得意。

医院朝陽区西大望路24号

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